2011年10月6日木曜日

2-8 ゲロッパは空耳ではない!

1-6のRとLの区別という項で、LをDと発音しよう!と説明した。
その件に関してミュージシャン仲間にして神経解剖学者のhadzkiさんから重要な指摘があったので、まとめてみる。

LがDに近づく時、DとTの音は逆にLに接近する。

Get up! Stand up! Stand up for your right!

みごとなまでに「ゲラプ! スタンロプ! スタンロッポーヨラィ!」

日本のコマーシャルで有名なジェームズブラウンの「ゲロッパ!」

これは実際にTと発音されてるのに、日本人が空耳でLと聞いているのではない。
本当にTとLが同化して発音されているのである。

=====
Get up, (get on up)
Get up, (get on up)
Stay on the scene, (get on up), like a sex machine, (get on up)

Get up, (get on up)
Stay on the scene, (get on up), like a sex machine, (get on up)

Wait a minute!
Shake your arm, then use your form
Stay on the scene like a sex machine
You got to have the feeling sure as you're born
Get it together, right on, right on.......
=====

これは昨日、今日始まったのではない。
明治時代の英会話の教科書にはこう書かれている。
「掘った芋いじるな」=ほったいもいじるな=What time is it now ?

だから今でも

しゃーらっぷ=Shut up
ちぇきら=Check it up
わら=water

と「TがLに発音される」のである。空耳ではない。

この2-8と1-6をリスニング時に頭の片隅においておこう。
でもこの「ら」は1-6で説明したように「だ」のつもりで発音するのですよ!お忘れなく!

(ちなみに1-6のhadzkiさんのオタク文化コメントは必読!)

2-7 文法を忘れよう!

自分がそうだったように、大学入試を終えて数年経ったら、受験英語の「一生使わないような」前置詞の選択、文法の間違い、そんな知識はキレイさっぱり消えてるよね?

それは良かった。いや冗談じゃなくて。

アメリカ人でもフランス人でも普通に育って、10歳くらいになれば、テレビ番組は何を聞いても理解できる。日本の小学校5年生もテレビ見たら、ほとんど全てを理解する。

そしてネイティブの10歳、11歳のレベルの会話力を第二外国語で身に付けるのは至難の業。

しかも、その10歳、11歳の子供は文法知識ゼロなのに完全な言葉によるコミュニケーション能力を持つ。自分だって子供の頃は「サ行変格活用」とか知らなかったでしょ?

文法は必要ありません。すっぱりと忘れて下さい。

ではどうやって文を組み立てるのか?コミュニケーションできるのか?

答えは簡単、10歳の子供のように「普通に英語で考えて」「普通に英語で話せば」良いのだ。

では「普通に英語で考える」とはどういうことか?どうすればできるのか?

これがこのブログの中核テーマ。次からじっくりと説明する。
これを納得した時、語学学習に関する視点が変わるよ。
(なんか自分の説明がドコゾのインチキ脳科学者みたいになってきてる・・・そんなことは無いからね。事実は淡々と説明するだけで重みがあるもの。)

そもそも文法を元に言葉を組み立て「普通のスピードで会話する」のは脳神経科学的にも不可能なのだし・・・そのあたりも次から。

まずは文法は忘れてOK。

2-6 超初級用教材 その6~10

では超初心者コースへの素材、残りの半分を。

■その6


■その7


■その8


■その9


■その10


一語も漏らさず聞き取れるまで、教材は次に進んじゃだめだよ。

こうやって、ローマ字で滅茶苦茶にされた神経回路を修復していると思って頑張ろう!

2-5 ローマ字を忘れよう!

超初級用教材その1~その5は順調にクリアしてるかな?この最初のプロセスはとても重要なので、焦らず、無理せず、ゆっくり・しっかり進めよう。

日本の英語教育の脳神経科学的な「間違い」はたくさんあるが、中でも最初にして最大のものは「ローマ字」。

言葉を習得する限界年齢としての「臨界期」は既に述べた。これは脳神経科学の事実だから良い・悪いを論議する必要は無い。第二外国語は10歳以前から始めるべきなのだ。小学校から外国語を学ぶと日本文化が崩壊するとか、変な理由で反対する人がいるが事実ならヨーロッパ諸国は皆、文化が崩壊している。

語学学習は「科学」なのだから間違った方法論で子供を教育することは「洗脳」。近代教育や学校とは200年くらいの歴史だし、日本の英語教育は「コミュニケーションの道具」でなく「試験選抜のための暗記素材」だったから、中学校の英語の先生のTOEICが550点平均でも問題は無かったのだろう。
しかし何という時間とエネルギーの無駄。6年から10年も英語を勉強しても海外で日常生活に必要な会話すらできない。さらに最悪なのは、日本の英語教育は、その後に言葉としての英語を身に付ける基本的な仕組みすら破壊してしまうのだ。

その問題の根源が「ローマ字」。最初から英語に入れば何の問題も起きないのに!

脳神経回路は最初に受けた学習刺激によって決定的に支配される。
「最初の刺激~反応による神経回路網の変化が決定的に重要」ということ。
さらに訓練・学習が進み、反応が条件反射のレベルで固定されたら修正は不可能に近い。

もしピアノの88鍵、1オクターブ12音は数が多いから、一オクターブは5音、上下3オクターブのミニ鍵盤で3年間練習して、それから12音の訓練をするとしたら?最初に正式な訓練をしないで、後から変な癖がついたのを直すのは難しいか、不可能である。

英語は難しいからローマ字から入る?

これは本来なら素直に英語の綴りと音との関係が入るはずの脳神経回路に、似て非なる刺激を最大限の強度で刷り込むことなのだ。

1.RとLを別のものと学習始めればいいのに、最初から一緒にして教える。あぁ、最悪。

2.Waは「ワ」じゃない!むしろ「ウェィ」 Waを「ワ」と最初に学ぶから、Where, What, Whoとかの発音が「日本語のワイウエオ」に引きずられる。

3.Teは「テ」じゃなくて「弱いツゥ」なのに・・・この子音+eで終わる語尾が強勢されてしまうことでどれだけ英語の発音が悪くなっているか。

弊害は10や20で済まない。心理学、脳神経科学の双方からローマ字から英語に入るのは百害あって一利なし!

言語とは「世界」と「音」とを結びつけたもの。

しかし、その英語の「音」を学ぶ神経回路網の配線を最初に破壊して、それから英語を学ぶというのはパロディですらある。なんと愚かな「教育」だろうか?
ここで提示する学習法で、くどいほど「時間をかけて音を脳に染み込ませて欲しい」と言っているのは、全て、この「最初に神経回路に詰まったゴミ」を掃除すること。だから、時間をじっくりとかけて「英語の音」を染み込ませて欲しい。

今からでも遅く無い! ローマ字は今日からキレイ、サッパリ忘れよう!

2011年10月5日水曜日

2-4 超初級用教材 その1~5

では超初心者コースへの素材を順に並べてみよう。まず10個用意した最初の半分を。

ほとんどの単語が中学1年レベル。しかし中学一年レベルが聞き取れなくて、高校や大学レベルが聞き取れることは絶対にあり得ない。中には幾つか難しい単語も出てくるかもしれないが、普通の英会話が別に日本の入試に合わせているわけではないので受け入れよう。
できれば、自分は中級と思っている人も一度はチェックしておこう。

■その1


■その2


■その3


■その4


■その5


さてどうかな、これ全部、一語も漏らさず聞き取れるまで、教材集は次に進んじゃだめだよ。他の部分は読んでもいいけどね。

聞き取れないからスグにYoutubeを開いてみるのは厳禁!ここ何度も言うけど、本当に大事だからね。
何度も何度も聞いて、考えて、音コピーして、それを最低30回くらいはやってから。聞き取れないということは、その単語は「音」として脳には入ってないわけだから。


実は中級だと思っていても聞き取れない単語の「根っこ」はこういう簡単なところに潜んでいたりするのだ。

2-3 教材を持っている人へ

さて、これからYouTube上から収集した素材をリスニングを教材として、日本の英語教育が染み込んだ英語脳の再配線を試みよう。

この講座でも十分な量を提供できるけど、もし自分の手元に「置物」と化した英会話教材があるなら、それもOK。MP3ファイルなら寝る前にベッドに入りながら「疑似睡眠学習」もできるし。
古本屋やヤフオクに行けば、昔ながらの英会話教材が「捨て値」で売られているかもしれない。それらは十分に役立つので、購入を検討する価値がある。

遼君で有名なスピードラーニングはどうか?

自分は試しにフランス語の評価版を試して正直あきらめた。この教材の効果を頭から否定する気は無い。むしろ高校生以下にはお勧めかも。いや小学生からなら確実に効果があるだろう。しかし30歳を超えて、まずは誤配線された音~単語の再初期化~再配線にはスピードラーニングの効果はそれほど無いようだ。

むしろ従来型の英語教材を最初の第一巻、第一章から「音」として頭に刷り込む事が重要かつ効果的。

その意味から、古本屋さんで(ヤフオクでも良いけど)リンガフォンとか何とか語学院教材セット、しかもできるだけ中学生レベルの簡単なものを購入するのは無駄にならない。むしろ非常に有益だと思われる。その場合は、このYouTube素材は無視しても大丈夫。

ちなみに何度も、しつこく繰り返すけど、聴く時に最初にテキストブックを開くのは厳禁。

十分に音を脳に染み込ませ、最後に字で確認。これだけは絶対に守るように!

しかも最初の第一章は最低でも朝から晩まで一週間かな・・・

2-2 実力テスト

まず自分のレベルを知ることから始めよう。

繰り返すが、勉強法の基本は、

1.このYouTubeを再生する。
(MP3に変換して携帯プレーやで寝る前に聞くのも有効)
2.途中で画面を拡大しない。(拡大アイコンを押せば現れる)
3.全部の単語が理解できるまで聞く。

ともかく、正直に「全部」の単語が理解できるまで聞く。
聞きとれない単語は耳で音コピーする。
この1-3が十分に終わったら、YouTube画面を拡大して文字、単語を確認。

自分は間違いなくこの超初級から始めた。

■超初級


■初級


■初級~中級


■中級


あなたはどのクラスからスタートかな?
今週は超初級から初めると仮定して素材収集と再構成を行う。中級以上の人はリスニング以外を読みながらお待ちを。

2-1 レッスン開始

PART1の準備編を終え、本編はここから。PART2以降で紹介する英語再入門の手順は以下のようになる

1.基本的な音と文字、単語との関係を再構築する
コミュニケーションとしての言語の本質は「音」と「リズム」。長年にわたって刷り込まれた「文字」+「本来は無い音」+「意味」という脳内配線を組み替えなければならない。もし、これが徹底してできてば80%の問題は解決済みと断言できる。なぜなら音と世界との対応関係が条件反射的に脳に染み込めば、人間は本来それを組み合わせたコミュニケーションは自然にできる動物なのだ。

そして、1を行いながら、以下の課題も徐々に身に付けていく。

2.重要な発音とリスニングの矯正
PART1ではRとLを説明したが、他にも日本人(学校英語を学んだ者)の共通課題である、VとBVとWFとVTとL、ER・OR等の特有のパターンの矯正法を考える。

3.英語文化の身体作法
身ぶり、手振り等、英語圏というよりキリスト教文化圏の最低限のマナーを説明。これら「身体作法」は言語以上に重要なこと。「非言語コミュニケーションは学問としても大きな分野。
実際、海外のホテルやレストラン等では一瞬にして自分とホテルの精神的な位置関係が変わるので本当に重要。

4.重要な構文
コミュニケーションの現場では、その仕事なりの専門用語を除いたら、重要なのは
20の動詞、10の前置詞、20の基本構文、1000の単語
このくらいかな。しかもそれらは独立しているのではなく、相互の動詞、前置詞、構文は全て密接に関係し合っている、その関係性を大きな枠組みとして捉えると「コミュニk-ション」の全体像が見えるはず。

そして何度も繰り返すが、重要なのは「文字」じゃなくて「音」として学ぶこと。

1のステップを確実にこなすには普通に考えれば半年、どんなに急いでも三ヶ月はかかると思う。でも6年から10年にわたる脳内配線、不要な条件反射の蓄積を掃除するわけだから、それは覚悟して「音」を学んでほしい。

でも相撲部屋の力士たちがあれだけ流暢な日本語を話すのだから、自信をもって進もう。