2011年10月13日木曜日

3-12 回答:初級編その5 早くも難関!

さて、何度も言うけど、ここを見るのは、完全に聞きとれてから。
今回はかなり難しいぞ。ちょっと気合いを入れて!



話されている内容は難しくない。中学校1年で3週間目くらいに習う内容かな?DOとDOESの区別は判る。でもネイティブじゃないと聞き取りは難しいよ。自分も実は一か所サラっと聞きとれない所があった。

CCで自動翻訳エンジンによる聞きとりのテキストが出るけど、30%くらい間違ってる。そのくらいここは難しい。

さてハイライトは0:49からの3秒間。ほとんどの日本人には

this is not ******** , can ******* for the party

としか聞こえないんじゃないかな?では(おそらくの)正解。

this is not one of your  football games, can you go get  some stuff that's good for the party...

何度も何度も、これを見ながら再び聞くこと。最低30回は必要だよ。

なぜ聞きとれなかったか?(簡単に聞きとれるならペラペラなはず)順を追って説明する。

1.gamesが聞き取れない!
これ日本人には「ギゥム」としか聞こえない。ここが核心です。明らかに訛った発音です。

2.gamesが聞き取れないから、前のfootballもフボとしか聞こえない。
結果として「フボギム」という意味不明箇所で理解の流れが止まる。

もしgamesが「ゲイムズ」と発音されていれば、「フボ」はfootballと解釈され、football gamesと理解されていた可能性は高い。

3.one of yourが消えた
もし、このフレーズが
one of your books
だったら、one of yourは「ワノブユ」でも聞きとれていたかもしれない。しかし後の「フボギム」の時点で脳は停止してるから、one of your はどこかへ消えてしまった。

「消える」とか言うのは比喩ではない。
脳が音を聞き意味に解釈される時、聴覚刺激は2~3秒のワーキンメモリに一括して蓄えられ前後関係等から処理される。一語一語、順番に処理されるわけではない!その中で解釈不可能な音。たとえば「フボギム」で悩んでいる間に、「ワノブユ」はワーキングメモリから蒸発したのだ。

結果として、このフレーズ全体は最悪
this is not ****************** the party
と聞こえて終わるのだ。
同じ理由から、
can you go get  some stuff that's good for the party...

go get=「ゴゲッ」
some staff that's good=「サムスタザグ」
はそのうち一語でも滞ると連鎖的に前後数秒が理解の空白になってしまうのだ。

このビデオには同じような難しい個所がいくつもある、

<1:01からの some things>
thingsがディンと聞こえる・・・これだけで前後に難しい単語は何もなくても理解が止まる。

<1:42からの RMB>
RMBは中国元。自分は中国で仕事してるから普通に聞き取れたけど、経験ない人には判らないと思う。

<1:20からのAnna Rechard>
これは固有名詞。固有名詞は沢山のパターンを聞いて覚えるしかない。

むしろこれらに比較したら、以下の文法用語はむしろ簡単だと言える。
singuler=単数形の
plural=複数形の
infinitive verb=動詞の原型

正直、ここまできたら、1-1から全て読み直してもらえると、これまで自分が説明してきた事が実感を伴って理解してくれるのではないだろうか?

2011年10月12日水曜日

3-11 回答:初級編その4 Excuse me.

十分に聞き取れたと思ったら、ビデオを見よう。



このビデオは何の手違いかCCが記録されていない。
そこで、CCボタンを押すと、Google社の音声認識の結果が表示される。その間違いが面白くて勉強になる。I'm a little lost. は聞きとれず。Tourist を Terroristに間違えてる。あなたは他にどのくらい気がついたかな?

このビデオで気をつけるべき事は一つ、

人に何かを聞く時はExcuse meから始める!

海外で街で迷った時など、いきなり
Where is the museum ?
とか聞く人がいるけど、これはひどく失礼。そして、やり取りが終わったら、1-3で説明したように、ちゃんと相手の目を見て、
Thank you !
英語のことで頭が一杯だと、相手にいきなり聞いたり、ひどい場合は肩とかスーツケースがゴツゴツ当たっているのに、気にしないで質問したり。特にアメリカ、イギリス、パリではこのマナーはとても重要。(実はイタリアやヨーロッパの田舎とかは人がおおらかで、いきなり聞いても笑って、答えてくれたりするけど。)

逆にニューヨークの繁華街とかは、日本人の感覚ではあまりに些細な事でもExcuse meという言葉の洪水と思うことしばしば。ま、郷に入れば郷にしたがえと。

1-3でも説明したが、「コミュニケーションのプロトコル=手順」は時として、いやかなりの場合、言葉そのもの以上に重要である。

ちなみにフランスでお店に入る時は、Bonjour とはっきり言って入る事がとても重要。特に小さなブティックとかに無言で入るのは「不気味」な印象を与える。お店はかれらの「家」に入るくらいの感覚を持って接するのがヨーロッパでは特に重要。

Hello, Excuse me, Thank you, I'm sorry の使い分けを身体で覚えよう。

3-10 回答:初級編その3 簡単な単語こそ重要

十分に聞き取れたと思ったら、ビデオを見よう。



これは非常に簡単だと思う。しかし簡単なフレーズこそ単純な発音がとても重要なのだ。

入試に出てくるような難しい単語は、発音記号も一緒に覚えて試験に備える人さえいる。

こんな単語、普通の英会話では一週間に一度出てくるかどうか。発音が少しくらいおかしくても困らない。

しかし基本的な単語、例えば、the, have, for, give , five, three 等がおかしいと全体の印象は致命的に悪くなる。おまけに、それら簡単な単語は「聞きとれた錯覚」でも何とかなってしまうから余計にタチが悪い。

難しい単語はちゃんと発音してるのに、fiveがオカシイ日本人とか結構いる。昔の自分もそうだった。良い機会だから、1-10まで再学習。



そして、同様に11-19まで。



数字を正しく発音できれば、あなたの英語の印象は20%くらいアップするよ。

3-9 回答:初級編その2 Java car ? ジャヴァカ?

十分に聞き取れたと思ったら、ビデオを見る。YouTube画面の[CC]画面を押せば、英語のテキストが出るので確認しよう。CCはClosed Captionの略。最初の意味は聴覚障害者のためのテキスト情報。語学学習には最適。



CCで表示されない表示されない表現や聞き取りのコツは可能な限り説明する。
(自分も聞きとれない場合はゴメン。数パーセントは聞きとれないかも。その時はネイティブさんに助けを頼むつもり。CNNやBBCのニュースは間違い無く聞きとれる自信があるけど、アメリカの高校ドラマとか60%も判らなくて途方に暮れる事もある。)

ここで気をつけて欲しいのは「Do you have --- 」の音。自分が初めてアメリカのホテルに着いた時にフロントが質問してきた。

Do you have a car ?

これが「読めない」日本人はいないだろ。しかし僕にはこう聞こえた。

ジャバカ?

Java car ?
じゃば ジャヴァ ・・・ デユヴァカ ・・・ あぁ ・・・ Do you have a ・・・

ビデオの1:20あたり、CCはDo you have the time ? と表示されるが普通の日本人は
「でゅばだたいむ」と聞いても当然だと思う。

haveのhは頻繁に行方不明になるから!

デュバ デュヴァ ジャバ ジャヴァ がちゃんと 「Do you have 」と聞きとれたら、このレッスンはOK。
逆にDo you have the time ? を軽く流して言う時は「デュヴァダタイム?」だね。
ダヴァ ダヴァ ダ~♪

3-8 回答:初級編その1 英語を学ぶ環境

では初級編教材その1を開いてみよう。



ここまで超初級をクリアーしてるなら、何の問題も無く聞きとれただろう。

このBlogを始める時に、YouTubeで色々な英語教材ビデオを検索して、このPodEnglishというコースを見つけたけど、驚いた。昔なら分割払いで20万とかしたようなリンガフォンの英語教材と同じものが、全てビデオで揃い無料か。自分が始めた時に比較して何て恵まれているのだろう。

それに自分の時代は1ドル250円とかで、今の3倍。海外に行く覚悟も今の数倍。

まるでAPIを組み合わせてサイトをマッシュアップするかのように、こうして自分が考える英会話講座も、既存の素材とツールを組み合わせて出来あがるのだから凄い時代になったものだ。

3-7 初級用教材 その13~16

では、同様にその13~16を。

1.音を聞いて、全部の音が理解できるまで、次に進まないのは今までと同じ。
2.書く内容が、簡単なQ&A等を持っているので、開いて確認する。
3.その1~その16まで回答編は別に用意した。

■その13


■その14


■その15


■その16

3-6 初級用教材 その9~12

では、同様にその9~12を。

1.音を聞いて、全部の音が理解できるまで、次に進まないのは今までと同じ。
2.書く内容が、簡単なQ&A等を持っているので、開いて確認する。
3.その1~その16まで回答編は別に用意した。

■その9


■その10


■その11


■その12

3-5 初級用教材 その5~8

では、同様にその5~8を。

1.音を聞いて、全部の音が理解できるまで、次に進まないのは今までと同じ。
2.書く内容が、簡単なQ&A等を持っているので、開いて確認する。
3.その1~その16まで回答編は別に用意した。

■その5


■その6


■その7


■その8

3-4 初級用教材 その1~4

随分と前置きが長かったけど、ここから本当の勉強の始まり。

ここから4個ずつリスニング用の教材を16個を順に提示する。4個づつ分けたのはブラウザーによっては、一度に16個も開くと時間とメモリーの関係で問題が起こる可能性が高いので。

ここから少し勉強方法が変わる。
1.音を聞いて、全部の音が理解できるまで、次に進まないのは今までと同じ。
2.書く内容が、簡単なQ&A等を持っているので、開いて確認する。
3.その1~その16まで回答編は別に用意した。
4.例えば その1の回答編は3-8 初級その1 「英語の意思」で確認する。

■その1


■その2


■その3


■その4


では!

3-3 言語の本質Ⅲ・「英語で考える」再び

2-6で「英語で考える」とはどういうことか?との質問を出した。

これが10歳以下の子供には、簡単。彼らの脳は、最初から音と世界との結び付けを、「言語という本能」の枠組みの中で、意識を使うことなく、呼吸するように自然に言語を身に付ける。言語は無意識の自然な条件反射として脳内に組み込まれるのだ。

しかし、自分たちのように、25歳も過ぎて、不自然な学習法で汚された脳で英語を学ぶには、別の学習法が必要である。

それは、意識して音と世界の対応を条件反射になるまで脳に刷り込む、そして次に音と文字との対応関係を再度学習する。

最初は、音⇒(日本語の意識)⇒反応・意味という過程で学習は進むが、何度も繰り返す事で(日本語の意識)が消え、音⇒反応・意味という条件反射が、基本要素として確立する。次に、一つの条件反射が出来たら、さらに複数の条件反射を組み合わせて、大きな単位の条件反射を作っていく。

これが、<言語とはピラミッドのように階層化された条件反射の集合体である>ということの意味である。
さらには、文法という概念も「条件反射」のひとつとして学習されるので(詳細は後述)、日本語の意識が入ることなく、英語脳が構築されていく。
これが「英語で考える」という事である。

最新の脳科学の研究成果も、この考え方の正しさを証明している
脳(大脳皮質)はその領域によって、色々な機能が局在している。
脳に怪我を負った人の研究で、特にある特定部位を傷つけると失語症といい、理解しても言語として表現できない患者さん発生した。
また最近は計測機器の進歩から、脳を外部から血流状態をリアルタイムに見れるようになり、脳の処理内容がどの部分に対応しているかも判るようになってきた。
人間の言語処理は左半球で上図のブローカ野(言語動作)とウェルニッケ野(文法処理)という部分が担っている事は失語症の研究で判っていたし、さらに最新の計測機器でも中学生、高校生が英語を学習している時は、この二つに血流が集中している事も確認された。

しかし、最新の研究で判ったさらに面白い事実がある。それは
「言語の初期の学習時にはウェルニッケ野の血流が増加するが、さらに学習が進み流暢になってくると、こんどは逆に血流量が減少する」
ウェルニッケ野は最初は意識的な文法学習に使われていても、学習が進むと逆に使われなくなってくる。これは意識レベルの学習処理が次第に条件反射の無意識レベルに再編成され、意識レベルの負荷が減ってくるとを示している。
意識レベルでの文法処理を介しているうちは、自然な英文を構築する事はできない。実際の脳も、条件反射の階層化で文法処理を行っているらしい。

さて、そろそろ、ここまでの理解を得て、初級の実践を始めよう。

3-2 言語の本質Ⅱ・本能、無意識、意識

<言語とはピラミッドのように階層化された条件反射の集合体である>

まず人間の精神構造の基礎を簡単におさらい。
生物としての人間の精神構造は、本能、無意識、意識の三層からなる。

(1)本能=無条件反射の集合体
生命体が生き延びるための情報処理の基底部分が「本能」。
単細胞生物のゾウリ虫から、昆虫、魚、爬虫類に至るまで、脳と神経系には生存に必要な処理プログラムが既にインストール済み。人間の場合、体温は37度前後に保たれ、食べ物は自然に消化され、心拍数は必要に応じて調整され、必要な酸素を身体中に送り届ける。これらは全て本能の営み。
40億年の進化の中、環境の変化と刺激に対して最適な反応を獲得した生物のみが生き残った。その反応は無条件反射として遺伝子に刻み込まれてきた。その無条件反射の集合体が「本能」である。

本能というと下等な感覚・意識のような誤解があるが、それは大きな間違い。免疫系によるウィルス撃退の仕組みなど、むしろ現代科学の粋を集めても、未だに解明されない程の複雑な仕組みなのだ。そして本能は生命活動が続く限り休むことなく働き続けるのだ。

(2)無意識=条件反射の集合体
条件反射といえば「パブロフの犬」の実験で有名。これは、特定の音刺激と食物を同時に与え続けると、音だけで唾液の反応が出るようになる。後天的に刺激⇒反応の自動回路が形成されることを示した有名な実験。日本人なら梅干しを見て唾液が出るのも条件反射である。

梅干しと唾液だけでなく、自動車の運転、楽器の演奏等も、メーター、標識、楽譜など、刺激と運動を繰り返し学習する事で、スムーズに動作が可能になるのも高度な条件反射の一例。

楽器演奏で言えば、最初は
視覚刺激(楽譜)⇒「認識と理解」⇒行動(演奏)
という流れで処理されていたのが、練習を続けるうちに「認識と理解」の処理が無くなって、
視覚刺激(楽譜)⇒行動(演奏)
と自動的な処理回路が形成される。

パブロフは旧ソ連の研究者だったが、それを拡大解釈した戦後のアメリカの行動主義心理学者は、条件反射だけで、人を思い通りに形成できるといった過激な思想も現れた。それは人間の可能性が環境と遺伝のどちらによって決められるかと言う、今に続く論争を巻き起こしている。
しかし、楽器演奏や車の運転のような技能が、条件反射の組み合わせによって出来あがっていることに疑いの余地は無い。

このように、後天的に獲得した学習活動で、自動的に刺激と反応の関係性が確立したものが条件反射。そして無意識はその条件反射の集合体である。

(3)意識=明示的に説明可能な行動の集合体
意識とは何か?これは、現在の脳神経科学の最先端の話題でもあるが、ここでは便宜的に、以下のように定義する。
「自分が何を行っているのか説明できる状態」が意識である。

自分で説明できる代わりに、意識が処理できる情報量は極めて少ない。心理学実験により、無意味な番号や数字列を一時的に記憶できる限界は7単位±2と判っている。普通に音声を聞き取り、書きとれる情報量は5-10バイト/秒程度と言われる。
ちなみに本能が処理する生体情報は数十メガバイト/秒以上と言われる。視覚、聴覚、嗅覚、触覚、体内神経センサ―等から脳に集められる情報量は膨大なのだ。

ところが意識は無意識レベルの条件反射を一つの基本処理単位として扱い、最終的には巨大な情報処理を遂行する。
また逆に、最初は膨大な情報量の故に手間がかかっていた学習も、正しく継続すれば意識レベルから無意識レベルの条件反射に再編成することができる。

意識的に学習を重ねることで、刺激⇒意識⇒反応という処理フローから最終的には意識をバイパスして、刺激⇒反応の条件反射とするかが語学学習の本質なのである。

この条件反射は、本能を構成する無条件反射と違い、いつでも意識レベルでの操作が可能になる。
オーケストラの指揮者は100人の演奏者がバラバラに聞き別ける事ができる。サッカーの監督は、22人の動きを瞬時に理解する。これらは全て、無意識レベルの条件反射を基本処理単位として意識で理解する事で可能になるのだ。

ちなみに、10歳以下の子供においては、その言語環境に飛び込めば、意識のフィルターを通さずに自然に言語は獲得される。これは人間に「言語を獲得する」本能が最初から準備されている証拠。面白い話題であるが、また別の機会に。

2011年10月10日月曜日

3-1 言語の本質Ⅰ・条件反射

本ブログの一番大切な章に突入。長い説明が続くけど頑張って下さい。
ちなみにインターネットは双方向だから、質問や提案はいつでもどうぞ。
正直、自分が全て出来るようなると、それ以前の出来なかった自分をどんどん忘れてしまう。

この3章のテーマは次のもの。

<言語とはピラミッドのように階層化された条件反射の集合体である>

これを納得してもらえば、これまでの単調なヒアリングの重要性も、さらに明確になる。
できるなら、この章に入るまでに「超初心者編」はクリアーしてると理想的だけど。

さて、まずここまでの復習を。

1.英語は音である
2.英語はリズムである
3.英語は感情である

さらに大事なことは

4.ローマ字を忘れる
5.文法を忘れる

ここまでは良いかな?

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英会話の達人の本は、どれも「英語で考えろ!」と言う。無意識で考えろ、腹で考えろ、など・・・でも、それを現在の脳科学で説明すればこのようになるのだ。(最近、「脳科学」って売り文句的な怪しい響きがしていやなんだけね・・・)

<言語とはピラミッドのように階層化された条件反射の集合体である>

その方法論を整理するとさらに以下のようになる。

1.まず最初に「音と(世界)」の条件反射をたくさん身体で覚える。
2.時間的に短い、基本的な条件反射を、必要十分な量を確実に身体で覚える。
3.短い条件反射が確実に身に付いたら、それを組み合わせたより大きな条件反射を構築する。
4.単語~熟語~フレーズ~文章とより大きな条件反射のピラミッドを構築していく。

これが語学学習の原則であり、全てなのだ。

音と(世界)の条件反射の基本単位は以下のものがある。

・音と意味の条件反射(単語)
・音と感情の条件反射
・音と状態の条件反射(Be動詞、形容詞など)
・音と動作の条件反射(動詞、形容詞など)
・音と関係の条件反射(接続詞など)

音と(世界)の条件反射を小さい単位で確実にして、徐々に積み上げて最終的には言語の条件反射の大きなピラミッドを積み上げるのが今回の学習法の根幹なのである。

この条件反射のピラミッド構築は、楽器、ダンス、運動など人間が行う全てに共通する方法論でもある。

車の運転を例に。

最初は何をするのもしどろもどろ。ハンドル操作、アクセル、ブレーキ、ギアチェンジ、標識、道路の形状、全て一つ一つ覚えていく。しかし、ある瞬間から、まずアクセルと移動距離の感覚が意識操作から条件反射になる。ほどなく、同時にハンドル操作と道路の方向との関係も条件反射になる。

次々と小さな動作単位が意識操作から条件反射に移行し、最終的には、自宅から駅までの10分の運転は、その地図、信号のタイミングまで全て「一つの大きな条件反射」として身体に組み込まれるのだ。最後には、運転しながら携帯電話で会話することさえ普通にできるようになる。

語学の上達の過程もこれと同じ、ただ覚えるべき条件反射の数と質が車の運転よりも多くて複雑なだけ。

条件反射って、あのパブロフの犬の条件反射?え?文法を忘れようと言ったのに?これじゃ同じ?その説明は次から。

2011年10月9日日曜日

2-9 Think different (番外編)

2-7文法を忘れよう!まで一気に書いてきて「語学習得の本質とは?」を書き始めたところで、スティーブジョブズ死去のニュース。あまりのショックに一日茫然。一度も会ったことのない人の死が、自分にこれほどのショックを与える事実にさらに驚いた。これだけ多くの人に、自分を見直す機会を与えるとは、最高の死にざま。

番外編で一つ。1997年の有名なCMを聞きとってみよう。

Here's to the crazy ones, misfits, rebels, troublemakers.
クレイジーな人たち、周りに合わない、反逆児、問題児たちに乾杯!

The round pegs in the square holes. The ones who see things differently.
四角い穴に丸い釘。ものごとを別の角度から見る人たち。

They're not fond of rules. And they have no respect for the status quo.
彼らはルールを嫌い、現状なんて気にもしない。

You can quote them, disagree with them, glorify or vilify them. But the only thing you can't do is ignore them.
お手本にされたり、反対されたり、崇められたり、貶められたり。しかし彼らを無視することは絶対にできない。

Because they change things. They push the human race forward.
なぜなら彼らが物事を変える。彼らが人類を前進させるのだ。

And while some may see them as the crazy ones, we see genius.
クレイジーと言われても、彼らこそが天才なのだ。

Because the people who are crazy enough to think they can change the world, are the ones who do.
なぜなら自分が世界を変えられると信じられるくらいのクレイジーな人こそが、本当に世界を変えるのだから。

これだけの人が登場する。
Albert Einstein (物理学者)
Bob Dylan (音楽家)
Martin Luther King, Jr. (政治家)
Richard Branson (実業家)
John Lennon (with Yoko Ono) (音楽家)
Buckminster Fuller (科学者)
Thomas Edison (発明家)
Muhammad Ali (ボクサー)
Ted Turner (実業家)
Maria Callas (オペラ歌手)
Mahatma Gandhi (政治家)
Amelia Earhart (女性飛行士)
Alfred Hitchcock (映画監督)
Martha Graham (舞踏家)
Jim Henson (with Kermit the Frog) (マペット使い)
Frank Lloyd Wright (建築家)
Pablo Picasso (画家)

途中で模型を持っているおじさんがバックミンスターフラー、宇宙船地球号という言葉を発明した彼が入っていることがジョブズの大きな思想背景だと思う。

そして最後に無名の(黒人かな、ギリシャ系かな・・・)少女が目を覚ます。この2秒間の表現にスティーブンジョブズの、未来への無限の希望を感じる。

そして今、スティーブンジョブズは最後に自分自身を正にクレイジーな奴として、この最後に自ら加わった。

時間があれば以下の感動的なスピーチを。CCを押すと字幕が英語と日本語が切り替わる。

だめだ、何度見ても泣けてくる・・・