2011年9月28日水曜日

1-4 言語は音である

コミュニケーションとしての英語を身に付けようする時に、何よりも重要なのは

言語とは音である!

という事実。この単純な基本原則を私たちは長年の「英語教育」によって完全に忘れてる。

人類の祖先と言われるクロマニョン人は今から10万年くらい前、地球上に出現し、そこから言語の歴史は始まる。約2万年前から、農耕、牧畜が始まり、1万年前にはメソポタミア近辺に原始的な都市国家が生まれ、5千年前には最初の大帝国エジプトが始まる。
メソポタミアでは都市の発生と同時に、すでに原始的な文字が生まれている。

現代の日本なら、誰もが文字でコミュニケーションできる。しかし全ての国民が普通に「読み書き」できるようになったのは本当に最近のこと。グーテンベルグが活版印刷を発明する前の南ドイツの識字率はなんと3%!当時の近代国家の最先端ロンドンですら、識字率は20%、パリは10%だった。

人類が発生して100,000年、そのうち99,800年、時間にして99.8%、人口比で言えば98%くらいの人々は文字など知らずに人生を終えた。それでも人々は助け合い、愛を伝え、歌を歌い、演劇すら参加し、何の不便もなく生活することができた。

言語とは世界に存在する「物」や「行為」や「感情」に「音」を結び付けたものなのである

さらには「文字」というのは「音」という非常に豊かな情報を、便宜的な手段であり、そこには情報の大きな欠落、変容が起きている。最先端の処理技法を使っても人の音声を1秒記録すれば、数百バイトは必要。それに反して、文字で一秒の言語情報を記録すればたかだか10~20バイト。

ところが、私たちはその便宜的な記録手段である「文字」で英語を学び始める。そして文法という、これまた本末転倒な枠組みで言語パターンを学習する。本来の言語脳に子供が学ぶように「そのまま」の英語の音と構造が入るのは、もはや難しいのが現状である。
Blueという文字を見れば「ブルー」、Sadは「サッド」と、本来はあり得ないような文字と音との結びつきが、日本の英語教育を終えた人々の脳の神経回路には「配線済み」なのだ。

本当は日本の義務教育で得た全ての英語知識をゼロリセットして、外国の子供が学ぶようにゼロから英語環境に飛び込めば、間違いなく英会話は身に付く。しかし、残念ながらそれは無理、脳の配線を根底から消去するのは不可能。

そこで僕らができる最短の学習法は、「音」と「文字・単語」の関係を再構築する事なのだ。

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