2011年10月1日土曜日

1-9 英語の現場(1) 中国、インド

では実際どのように英語が現場で使われているかをざっと見てみよう。(ここには語学材料はないので、悪しからず)自分はアフリカと南米以外はかなりの国を仕事で回っているが、その中でもIT業界に限っての話。

■原則
世界中でビジネスしてきて、世界には4つのビジネス文化圏があると痛感している。
それは、

1.中国(本土)
2.インド
3.イスラエル
4.それ以外(欧米、アジア、その他)

イスラム圏は全く別の文化圏と言われるが、まだ書けるほどの十分な経験は無い。インド・イスラエルは会社も作り、20年弱の経験がある。

1.中国
普通の中国人は日本人と同じくらいに英語が話せない。しかし現在のITビジネスは中国抜きでは考えられない。
世界中の携帯電話の8割、PCの9割は中国で生産されている。携帯電話はこの1年間で8億台が出荷されたそうだ。その中心は香港から電車で40分で行ける深圳という都市。人口は1400万人~1600万人。毎年100万人ずつ人口が増加するという驚異的な発展が今も続いている。
深圳の企業の相手は殆どが外国企業、だからどこでも英語が通じる・・・はずだが、実際の英語はダメ。打ち合わせには「どこかから」英語の話せる「社員」が現れる。ほとんが女性。大学の英文科を出ているらしいが、英語力は日本の中学2年生程度。でも、その英語力でも驚異的な押しの強さでビジネスを進める。
百戦錬磨で英語能力も高いインド人にもひるむことなく、果敢に挑んでいく。この深圳パワーを見れば、日本人に欠けてるのは英語力じゃなくて、「押しの強さ」だけじゃないかと思えてくる。深圳で交渉するなら、専門用語と、中学2年くらいの英語力で十分。ただし、交渉マナーとして、最初にYESかNOかをはっきりと意思表示する事。値段などに関しても、小出しにするより、最初にドーンと目標値を設定して、YESかNOかをはっきりさせてから、次に進む。
最初に行った値段とか数量を当日決めずに、翌日に変えたりしたら、中国人は「騙された」くらいの感情を持つ。日本の5倍以上の経済成長をしている国。時間も5倍以上速いと思った方が良い。日本での一週間が現地での1日くらいに考えないと、何もまとまらない。

2.インド
インドのビジネスマンは100%英語を話す。しかも押しが強くて発音が特殊。
正直、インド英語は別の英語じゃないかと思うくらい訛りが強い。さらに中央、南部の英語はさらに訛りが強く、北部のインド人が、南部のインド人の話す英語が聞きとれないといった冗談みたいなこともしばしば。
インド人ビジネスマンは基本的に論理的。ビジネスをするには英語でちゃんと説明しないと納得しない。しかも基本的に日本人からしたら、信じられないくらい「自己中心的」に話しを進めてくる。日本人的には「なんだそんな勝手な事!」と頭にくることの連続。また、ダメでもともとの無謀なチャレンジ精神が旺盛で、一度や二度断ったくらいでは諦めずに食い下がる。
その自分勝手な論理展開でビジネスを進めよてきたら、単純な事はちゃんと論理的に反論して納得させる。また余りに無謀な事を言ってきたら「ちゃぶ台をひっくり返す覚悟で」最初から無理言うならこの仕事は無かった事にする!と宣言する。最初の妥協や変な譲歩は後々の苦労の火種である。
また、研究開発のチームを率いるような場合、平気で上役の能力をさぐるような行為をしてくるので、最初に「自分は君たちより能力がある」と強烈に示す必要がある。これはインド人に限らず、ヨーロッパ、アメリカどこでもあるので、これは「洗礼」だど思って、一気に相手を押し込まないといけない。逆にその能力がないなら、海外の研究所とかを仕切る事はできないと思った方が良い。

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この辺の事情は、後にコラム的に書く。言葉だけでなく、ビジネスマナーも違うという心構えをしないと、色々と難しい問題が噴出する。

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